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今月のピックアップ ワイナリー

【Marco Carpineti(マルコ・カルピネティ)/ラッツィオ州】

「マルコ・カルピネティ」は首都ローマの南東約40㎞、標高約1500mのモンテ・レピーニに抱かれた小さな街コーリ(Cori)にあり、ワイナリーの名前そのものであるマルコ・カルピネティ氏が1986年に創業したワイナリーです。その歴史はまだ40年弱と浅いものの、カポレモーレ、ニンファ、サンピエトロ、アントニアーナという計35haにも及ぶ4つの圃場と最新の醸造設備を持ち、原産地規定エリア「DOCコーリ」を代表するワイナリーとしてすでに十分の魅力と個性を兼ね備えています。カルピネティの多様でエレガントでユニークなワインは、まさにこのコーリ周辺に点在する4つの畑のテロワールと彼らの理念そのもの。各圃場を囲む丘のように優美でありながら、それらを生成する火山岩と凝灰岩の土壌のような力強さを備えています。

なかでも自然保護区内に位置するアントニアーナとサンピエトロの圃場ではいにしえの面影を残すオリーブの大樹や古代遺跡が現存する傍ら、古代小麦の栽培や昔ながらの牛の放牧が行われ、時の流れに育まれた繊細なミクロクリマ(ミニマルな気候条件)が幻の古代ブドウ品種「ネロ・ブオーノ」と「ベローネ」そして「グレコ・モーロ」という3品種の再発見と復活に寄与しています。自然と人間の長い歴史が刻まれた大地は時に厳しく、時に優しく、カルピネティのワインに個性と魅力を与えてくれています。

カルピネティは有機栽培ブームに先駆け、1994年にはいち早く有機農法に完全移行しています。有機農法を採用したイタリアで最初のワインメーカーの1つといえるでしょう。さらに2015年からは人類共通の環境保護という課題に対して「ビオディナミコ(バイオダイナミック)農法」によるカルピネティ家の新たな挑戦が始まりました。マルコの息子、パオロは父とともに有機ワイン造りへの情熱を持ち、農耕馬による農作業、地域で出土した粘土で焼成したアンフォラによるワインの熟成、殺虫剤や化学肥料等の化学物質を一切使用しないワイン造りなど、過去と現在の技術融合に若い熱意を傾けます。カルピネティが栽培するブドウは、白ブドウ品種のベローネ、グレコ・モーロ、そして赤ブドウのネロ・ブオーノ、モンテプルチャーノ、チェザネーゼなどで、植物の持つ自然のサイクルと営みを尊重するため、品種ごとに最適な時期を見極めながら常に手作業で収穫されています。

ワイナリーの紋章は、コ-リの中心部にある歴史的な宮殿の「希望、慈愛、信仰」を表した3つ星の紋章に由来します。現代に生きるマルコ・カルピネティ家にとっての3つの星は「持続可能性」「自然への敬意」「伝統と革新の共存」であり、「人」「ワイン」「大地」という3つが交差しながら調和する夢の象徴でもあります。2000年に一新したワイナリーのテラスからは、カポレモーレの圃場を取り巻く7つの丘や美しいブドウ畑を眺めることができ、国内外から訪れる観光客のゲストハウスの役割も担っています。

「マルコ・カルピネティ」はイタリアワイン業界の現代のパイオニアとして、また社会的責任を負った一企業として、地元の雇用創出を担いながら地域の活性化に貢献しています。ワイン造りを通して彼らが目指しているのはサスティナビリティと有機ワインの生産、美しい自然と景観の保護、労働者の権利尊重、そしてワイン文化の継承です。

 

もし皆さんが今度、ローマを訪れる機会があったら是非、「マルコ・カルピネティ」の挑戦をその目で確認しに行ってください。ローマの中心地からわずか小1時間のドライブで、喧騒とは別世界の彼らの軌跡が目の前に広がっていることでしょう。



MARCO CARPINETI AGRICOLA BIOLOGICA
S.P. VELLETRI-ANZIO, 3
04010 CORI – ITALIA

https://carpinetiterrae.com/